日本には“最強のコンテンツ”が存在している
“日本が世界に誇るものを一つだけ挙げなさい”と言われたら、あなたは何を思い浮かべますか?
四季折々の美しい景観、繊細な味わいが楽しめる日本料理、和装に代表される日本のファッションを挙げるという人もいるでしょう。
それら世界に誇れるものの中に“マンガ”も入ってくると思いませんか?マンガは、日本人なら老若男女だれもが一度は触れているであろう立派な文化です。
いま YouTube の動画サービスにおいて“マンガ”が注目されているのをご存知でしょうか。
世界の事件をマンガ化したものや、もしも○○だったら〜という創作まで、さまざまなジャンルが展開されています。
企業も注目するYouTube×マンガ動画
職業の一つとして市民権を得た感のある YouTuber ですが、彼らに引けをとらないYouTubeクリエイターが台頭しています。
その一人が 195 万人ものチャンネル登録者数(2020年3月現在)を誇る“フェルミ研究所”さん。
1本あたりの動画再生回数はおよそ160万回と圧倒的な数字を記録しています。
年収も2,700万円前後と推測されていて、職業としての“漫画家”と比較してもその数字は群を抜いているのではないでしょうか。
エンターテイメントとしての YouTube マンガ動画が注目を浴びていますが、今や企業もその拡散力に目をつけています。健康食品や美容商品のみならず通信
業界最大手のドコモもマンガを活用した動画プロモーションを実施しています。
今回はこれからますます拡大するであろう“YouTube マンガ動画”のメリットをマーケティング目線で考察していこうと思います。
キーワードは 「共感」「情報量」「表現の幅」
結論からお伝えすると、YouTube マンガ動画のメリットは大きく 3 つ挙げられます。
それが「共感できる」「情報量が多い」「表現の幅が広い」ということ。これらを一つずつ深掘りします。
共感
まず一つ目の「共感できる」という点について。
プロモーションを行う際は自社商品の魅力や他社との差別ポイントを挙げていくわけですが、ここには大きな難問が横たわっています。
それは消費者の共感が得られにくい、ということ。
例えば化粧品の場合、使っている素材の品質であったり、リーズナブルな価格を推していくわけですが、消費者の立場にしてみると「だから何?」と思われ
てしまうことが多々あります。
自社の商品であるがゆえにPR担当者はその魅力を一生懸命に伝えようとするのですが、たくさんの商品に囲まれている消費者にとっては、その“推し”がストレスになりかねません。
そこでマンガ動画の登場です。マンガ動画には“ストーリー”という強力な武器があります。
例えば、肌荒れに悩む一人のOLが主人公という設定。その商品を使うことによって肌質が改善し、コンプレックスが解消する。自信を持つことで仕事にも良い影響が出始める。
さらにはステキな男性にも巡り合って…というようなストーリー(起承転結)に私たちは共感を覚えるのです。
この“共感”がマンガ動画のメリットであると言えるでしょう。
情報量
次に「情報量が多い」という点について。
みなさんにもこういった経験がありませんか?生命保険に入った際に渡される資料。機種変更をしたスマホの説明書。老後に備えてチャレンジする投資の目論見書。
そのほとんどが文字で埋め尽くされ、一読するのにもうんざりしてしまいます。
このように“文字情報が多くなってしまう業種”こそ、マンガ動画のメリットを活かせるのです。
マンガ(イラスト)には情報量が多いという利点があります。1 分間で相手に伝えることのできる情報量は、テキストなら 300 文字が限界と言われていますが、イラストは 2,000 文字に匹敵する情報量を伝えることができます。
その差、およそ7倍。マンガ動画には文字情報の7倍も“伝える力”があるのです。
この情報量の多さもマンガ動画のメリットの一つです。
表現の幅
最後に「表現の幅が広い」という点について。
書店で売られているようなマンガを想像してください。どの作品も千差万別。男の子が好む情熱的なビジュアルのマンガもあれば、女心をくすぐるかわいらしいタッチの作品もあります。
マンガには表現のバリエーションがあるのです。企業によってターゲット層は異なるでしょう。男女、もしくは年代、さらには職業別までさまざまなカテゴ
ライズが存在し、そのターゲットにあった PR 方法を選ばなければいけません。
マンガ動画はそのターゲットに一番刺さるような表現(イラストのタッチやストーリーの構成)を選ぶことができます。
プロモーションという目線で考えると、この引き出しの多さはとても大きな強みでしょう。
さらには効果音や声優さんの魅力的なボイスでより一層、自社商品の魅力を相手に伝えることができます。
この「表現力の幅が広い」という点もマンガ動画の大きなメリットです。
今後はさまざまなプレーヤーが参入すると予想される
以上のようにマンガ動画を活用したプロモーションは、マーケティングという観点からもさまざまなメリットがあります。
企業も少しずつ参入しており、今後もこの傾向は続くと予想されます。プラットフォームとしてのYouTubeにも多くのメリットがあります。
YouTube に動画をアップロードして、自社のホームページに埋め込んだり、SNS を通じて拡散したりなど、高い汎用性が期待できます。
これから5Gという新しい通信環境になることを踏まえると、動画というコンテンツには多くの可能性が眠っていると言えます。
日本人に馴染みのあるマンガと掛け合わせることによって、PR 効果は高まるでしょう。
「しょせんマンガでしょ…」なんて思わずに、ぜひ一度、みなさまの企業でもマンガ動画を活用したプロモーションを検討してみてください。